双極性障害のブレインフォグとは|頭が働かない5つの理由

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双極性障害のブレインフォグとは?「頭が働かない」「考えられない」と感じる理由

朝、紅茶を淹れようとして、何をしようとしていたか忘れる。
猫がごはんを待っているのに、その「ごはん」という単語が一瞬出てこない。
そういう日があります。

頭の中に、薄い霧がかかったような感じ。
考えようとしても、思考がそこで止まる。
文章を読んでも、文字が表面を滑っていく。

「これって双極性障害と関係あるのかな」と、私も何度か思いました。
気分が特別落ちているわけでもないのに、頭だけが動かない。
そういう状態を、ブレインフォグと呼ぶことがあるそうです。

この記事では、ブレインフォグとは何か、
双極性障害とどう関わるのか、うつ病との違い、
悪化させる原因、そして少し楽になる対処法を整理していきます。

結論を先に言うと、それは「甘え」ではなく、
脳が疲れているサインに近いのかもしれません。


ブレインフォグとは?「頭に霧がかかった状態」

ブレインフォグは病名ではなく”症状”

最初に押さえておきたいのは、
ブレインフォグが正式な病名ではない、ということです。

ブレインフォグは、脳の働きがぼんやりする状態を指す呼び名です。
「集中できない」「言葉が出ない」「思考が止まる」といった感覚をまとめて、
そう表現しているだけなんですよね。

だから「ブレインフォグという病気になった」わけではなく、
「いま、そういう状態にある」と捉えるほうが正確かもしれません。
原因も、双極性障害だけでなく、睡眠障害や慢性疲労、
強いストレスなど、いろいろあるようです。

よくある症状

具体的には、こんな感じです。

  • 会話の途中で、内容がふっと飛ぶ
  • 読書やSNSが、頭に入ってこない
  • 何をしようとしていたか、忘れる
  • 判断するのに、時間がかかる
  • 頭が重い。全体がスローモードになっている感覚がある

私の場合、いちばん困るのは会話です。
話しているうちに、自分が何を言おうとしていたのか、わからなくなる。
相手は待っているのに、言葉だけが出てこない。
あの数秒は、けっこう長く感じます。
会話の途中で思考が固まる感覚については、
会話中に頭が真っ白になる体験のほうでも書いています。

「怠け」ではなく脳の疲労感に近い

ここが大事なところだと思っています。

ブレインフォグは、やる気の問題ではないようです。
むしろ「脳が処理しきれていない」状態に近い。
だから、頑張ろうとすると逆に疲れます。
気合でどうにかしようとして、よけいに動かなくなる。

双極性障害では、この脳疲労と結びつきやすいと言われています。
脳が疲れていく感覚そのものについては、
双極性障害と脳疲労の話で詳しく整理しました。
「怠けている」と自分を責めても、事態は良くならないんですよね。
むしろ責めなくていい。


双極性障害とブレインフォグの関係

うつ状態で起こりやすい「考えられない」

双極性障害には気分の波があります。
そのうつ期に、認知機能が落ちることがあるそうです。

「何も考えられない」「頭が真っ白」。
気分の落ち込みと、思考が止まる感覚が、同時にやってくる。
このとき、何かを決めるのがとてもしんどくなります。
今日の予定すら、組み立てられない日があります。
判断が重くなったときの対処は、回復期の睡眠と決め事のルールにも書きました。

躁状態・軽躁状態のあとにも起こる

意外かもしれませんが、躁や軽躁のあとにも、
ブレインフォグのような状態が出ることがあります。

軽躁のときは、考えが止まらず、頭が回りすぎる。
情報を処理しすぎて、脳がオーバーヒートする感じ。
睡眠も削れます。
その反動で、波が引いたあとに
「脳が動かない」感覚が来ることがあるようです。

走りすぎた次の日に、足が重いのと似ているかもしれません。
気分が高ぶったあとの消耗については、
混合状態の翌日の疲れでも触れています。

「気分は普通なのに頭だけ動かない」こともある

双極性障害では、気分と認知機能がズレることがあるようです。

「そこまで落ち込んでいないのに、頭だけ回らない」。
これは本人にとっても説明しづらい状態です。
「元気そうに見えるのに、なんで進まないの」
と思われると、なかなかつらい。
周囲に理解されにくいぶん、
自分でも「気のせいかな」と片付けてしまいがちかもしれません。


双極性障害のブレインフォグとうつ病との違い

うつ病は”気分の落ち込み”が中心

うつ病のうつ状態は、気分の障害が軸になると言われています。

強い無価値感。喜びを感じにくい。
「自分はダメだ」「生きていても仕方ない」といった考え。
中心にあるのは、「悲しい」「つらい」という感情のほうです。

ブレインフォグは”認知機能の不調感”が中心

一方でブレインフォグは、認知機能の不調感が中心になります。

「つらい」というより「頭がモヤモヤして不快」。
思考の速度が落ちて、言葉が出てこない。
現実感が少し薄い感じ。
感情の問題というより、機能の問題に近いんですよね。

ざっくり言えば、うつ状態は「気分」が先に来て、
ブレインフォグは「頭の不調」が先に来る。
そういう違いがあるようです。

実際には重なっていることも多い

ただ、現実はそんなにきれいに分かれません。

双極性障害のうつ状態に、ブレインフォグが重なる。
そこに睡眠不足やストレスが加わる。
完全に切り分けるのは、たぶん難しいです。

私自身、「これはうつなのか、ただの脳疲労なのか」
と考えても、答えは出ませんでした。
分類は医師がする仕事です。
自分の状態を時系列で記録しておくと、受診のときに役立ちます。
私はライフチャートでの自己観察を続けています。

自分でラベルを貼ろうとして消耗するより、
「いま頭が動きにくい」という事実だけ
受け止めておくほうが、楽な気がします。


双極性障害のブレインフォグを悪化させる原因

睡眠リズムの乱れ

おそらく、いちばん大きいのが睡眠です。

起床時間がバラバラだと、深い睡眠が安定しにくいと言われています。
長く寝ても、回復感がない。中途覚醒が増える。
「寝たのに、寝た気がしない」。
あの感覚が続くと、頭の霧もなかなか晴れません。

朝に起き上がれないときの話は、
朝、起きられないときの記事にまとめています。

情報過多・スマホ疲れ

SNSを見続けると、脳が休まりません。

双極性障害は、刺激に敏感になりやすいとも言われます。
なんとなく開いたスマホを、なんとなく1時間見ている。
そのあいだ、脳はずっと働き続けている。
情報を「入れすぎている」だけで、
霧が濃くなることがあるようです。

刺激との付き合い方は、脳と刺激のせめぎ合いでも書きました。

ストレスの蓄積

人間関係、仕事、通勤。それから、私の場合は老猫の介護もそうです。

慢性的な緊張は、じわじわ脳を削ります。
ひとつひとつは小さくても、積み重なると効いてくる。
ストレスが続くと、夜になっても脳が緊張モードのまま、
というのもよくある話みたいです。

介護の疲れがたまっていく感覚は、
シニア猫の介護疲れのほうで正直に書いています。

脳疲労の蓄積

そして、頑張り続けた反動です。

双極性障害では、エネルギーの消耗が激しいと感じます。
私の場合ですが、「普通に生活するだけ」で、
限界が来るなんてしょっちゅうです。

B型のパソコン作業をして、苦手な風呂に入って、
晩御飯を作って、猫の世話をして。
それだけで、夕方には頭が空っぽになっている。

たぶん、燃料の減りが早いんですよね。
そういう体質なのだと、最近は思うようにしています。
なのでお風呂に入ったら1時間寝るようにしています。
それでも晩御飯作って食器洗って…などしていたら、限界がきます。
そしてまた1時間寝て、好きなことに2時間ほど費やします。
日付が変わる前には寝るようにします。
このルーティンが今の所一番自分に合っています。

脳疲労からの回復については、
脳疲労を回復させる習慣に具体的なことを書きました。


ブレインフォグが強い時に私が意識していること

ここからは、医学的な話というより、
私が日常でやっていることです。
これで治る、という話ではありません。
ただ、少しマシになる日もある、という程度のことです。

「頑張って考える」をやめる

霧が濃い日は、無理に集中しないようにしています。

考えようとすればするほど、空回りする。
だから、その日は「考える量を減らす」ことを優先します。
重い判断は、明日に回す。
脳を休ませるほうが先、という順番です。

ってそんな簡単な話ではありません。
頭が勝手にグルグルと情報処理をするのが
双極性障害だったりうつ病だったりするのですから。

重い判断が待っているのであれば速攻で
解決したくなるのも0-100思考の性ではないでしょうか。
そうでないと心がもたないからです。
心=脳の関係を忘れてはなりません。

ですから、ぶっちゃけて言ってしまうと、
寝るのが一番得策だと思っています。
寝れないならば医師と相談して頓服を処方してもらうのもアリです。

情報を減らす

スマホを閉じます。通知を切ります。

静かな時間を、意識的につくる。何も入れない時間。
最初は手持ち無沙汰ですが、脳にとっては、たぶんそれが休憩になっています。

ただ、完全な静寂は逆に警戒モードに入るらしく、
頭の中の思考が暴走しやすい状態になってしまいます。

ブレインフォグや不安が強い時って、

  • 頭の中の独り言
  • 未来への不安
  • 記憶の反芻
  • 焦り

が無限ループしやすいです。

その時、外部の小さい音があると、
脳の注意が少し外側へ分散される。

すると、頭の中の反芻が弱まって
眠りやすくなることがあります。

つまり、普通の会話音量だと、
脳は内容を理解しようとして
処理を始めてしまうんですね。

でも、
“聞こえるか聞こえないか”
くらいの小音量だと、

  • 意味処理までは行かない
  • ただの環境音に近くなる
  • でも「人の存在感」は残る

という絶妙な状態になります。

あと、YouTubeの話し声って、
意外とリズムが一定なんです。
特に、

  • 落ち着いた男性声
  • 淡々とした解説
  • 雑談配信
  • 低刺激のゲーム実況

あたりは、
心拍や呼吸が同期しやすいことがあります。
赤ちゃんが車で寝るのと少し似ています。

また、猫を眺めているだけの時間が、わりと結構効きます。

猫がそばにいる静けさについては、不安と沈黙、猫の存在でも書きました。

紙に書いて脳の負荷を外に出す

頭の中だけで整理しようとすると、
同じことをぐるぐる考えてしまいます。

だから、紙に書きます。TODOを書き出す。
「いま困っていること」を、一言だけでもいい。
頭の外に出すと、それだけで少し軽くなる気がします。
完璧なメモである必要はありません。
まあ、0-100思考の方も多いことでしょうし、
完璧さを求めるな、
と言うほうが無理があるかもしれませんが。

書き出すのもしんどい日は、
音声メモと文字起こしに頼ることもあります。

起床時間だけはなるべく固定する

睡眠を完璧に整えるのは、たぶん無理です。
だから、欲張りません。

まず、起床時間だけ。なるべく同じ時間帯に起きる。
それだけを目標にしています。
朝のリズムが整うと、深い睡眠を取り戻す土台になると言われています。
寝る時間より、起きる時間。
私はそこから始めました。

例えばうっかり深夜の1時に寝てしまっても、
起きるのは朝の7時です。まあ、8時になることもありますが。
何時に寝てもそのくらいの時間に起きるようになるんですよね。
不思議と。

睡眠と決め事の組み立て方は、
回復期の睡眠ルールに詳しく書いています。


こんなブレインフォグは受診を考えた方がいい

セルフケアでなんとかなる範囲もあれば、
そうでない範囲もあります。
次のような状態が続くなら、
精神科や心療内科に相談したほうがいいかもしれません。

  • 数週間〜数ヶ月続いている ── 頭が晴れる日が、ほとんどない
  • 生活に支障が出ている ── 家事が続かない。仕事や通院の管理が難しい。会話や読書がかなりつらい
  • 睡眠や気分にも異変がある ── 不眠、過眠、強い不安感、希死念慮がある
  • 双極性障害の再燃サインかもしれない ── 軽躁の前後、うつ転、混合状態のタイミング

特に希死念慮があるときは、様子を見ずに、
早めに相談してほしいと思います。
混合状態が絡んでいる可能性もあります。

そのあたりは混合状態の症状とケアで整理しました。
「気分は普通だから大丈夫」と思っていても、
頭の霧が長く続くようなら、一度プロに整理してもらう価値はあるはずです。


まとめ|双極性障害のブレインフォグは「甘え」ではない

最後に、要点だけ。

  • 双極性障害では、気分だけでなく「脳の働き」も不安定になりやすい
  • 「考えられない」「頭が動かない」は、実際につらい症状
  • 睡眠、ストレス、情報量が、大きく影響する
  • 無理に頑張るより、「脳を回復させる生活」を優先する

「気合が足りない」のではなく、
脳がオーバーヒートしている。
そういう状態に近いこともあるようです。

まずは、「これは、ちゃんと休ませる必要がある状態なんだ」と認めるところから。
それだけでも、少し楽になるかもしれません。
霧は、無理に振り払おうとすると、かえって長居する気がします。

一つ希望を打ち砕くようで申し訳ないのですが、
私の場合ではありますが、心療内科に通院していても、
ブレインフォグはあります。

脳疲労による症状なのですから、
過去記事を読んだ方はお分かりかと存じますが、
がっつりブレインフォグという症状を持っています。

ただ、情報を反芻するとか、意味不明な強い不安とか。
脳内の独り言とかそういうのからは脱却しました。

散々嫌がっていましたが、いざ病院で処方された薬を飲むと、
症状が緩和されたり、なくなっていたりします。

ただ、過去の失敗とかそういうのは、ふっと出てきてしまうので、
そういうときは拍手をして音に注意が行くようにしたり、
鼻歌を歌ってみたりしますね。

この記事もめっちゃ時間かけて書いてます。
脳に霧がかかった状態なので出力するのにも時間がかかるのです。

とはいえ、ブレインフォグの自覚があるなら、
病院に行ってみるのはおすすめです。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
この記事がお役に立てたなら幸いです。

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この記事を書いた人

「双極性障害」「老猫介護」「ペットロス」「脳疲労」。

このブログでは、
混合状態や在宅生活の中で感じたことを、
猫たちとの暮らしと一緒に記録しています。

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