双極性障害Ⅱ型と診断されたのは、二十代半ばのことでした。 でも本当は、もっとずっと前から何かがおかしかった気がします。 働くことが、どうしてこんなに苦しいのか分からなかった。
この記事では、双極性障害Ⅱ型の症状について、私自身の体験を交えながらお話ししていきます。
結論から言うと、双極性障害Ⅱ型の症状は「軽躁」「うつ」「混合状態」の3つが軸になります。 ただ、軽躁は本人も周囲も気づきにくいので、診断までに何年もかかる人が少なくありません。私もそうでした。
「もしかして自分も?」と思っている方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
双極性障害Ⅱ型とは何か
双極性障害は、気分の波が大きく揺れる脳の働きに関わる病気です。 うつ状態だけでなく、軽躁や混合状態を繰り返すのが特徴です。
双極Ⅰ型との違い
ざっくり言うと、Ⅰ型は「激しい躁」が出るタイプ。 Ⅱ型は「軽躁」が出るタイプです。
軽躁は、本人としては「ちょっと調子がいいな」くらいの感覚なんですよね。 だから本人も周囲も気づきにくい。 そのぶん、うつの方が前面に出やすくて、ただの「うつ病」と診断されてしまうこともあります。
軽躁・うつ・混合状態という3つの波
私が一番厄介だと思っているのは、3つ目の混合状態です。 軽躁とうつが同時に来る状態で、エネルギーはあるのに気分は最悪、みたいな矛盾が起きます。
混合状態については、別記事でもう少し詳しく書いているので、興味のある方は双極性障害の混合状態とは|症状とケアも読んでみてください。
診断まで約10年かかった理由
15歳で心身症の診断を受け、双極性障害Ⅱ型の診断がついたのは24〜25歳くらいでした。 約10年、ずれていたことになります。
父と同じ症状を認めたくなかった
診断が遅れた一番の理由は、私自身が「父親と同じ病気かもしれない」と認めたくなかったからです。 だから病院に行くのを、何年も先送りにしていました。
認めたら、自分の人生が一気に変わってしまう気がして。 今思えば、その時間も必要だったのかもしれません。でも、もう少し早く受診していたら、と思う気持ちもあります。
診断名を知らされていなかった話
実はこんなことがあって。
総合病院の先生に「病院を変えたいので診断書をください」とお願いしたら、「そうですか、じゃあ出しときますね」で終わったんです。
肝心の私の診断名、聞けないまま。
3か月後、転院先の先生に思い切って聞いてみました。
「先生、私、何の病気なんですか?」
「え?聞いてないの?」
「はい」
「もらった診断書に双極性障害Ⅱ型って書いてあったよ」
3か月ハラハラしていた時間を返してほしい、と少しだけ思いました。 仕事から帰ってきた母に報告したら、「やっぱりかぁ」と言われた気がします。 父と10年以上暮らしてきた母には、なんとなく分かっていたんでしょうね。
双極性障害Ⅱ型の症状7つ【実体験ベース】
ここから、私自身に出ていた双極性障害Ⅱ型の症状を7つ挙げていきます。 教科書的なリストというより、「実際こうだった」という感覚で読んでもらえると嬉しいです。
1.眠れない夜が続く
最初に強く出た症状は、不眠でした。 エッセンシャルオイル、ヒーリングミュージック、できることは一通り試したけれど、まったく効きませんでした。
※当時は知らなかったのですが、精油は猫に禁忌のものが多いんですよね。あとから知って、後悔はあります。 猫との暮らしで気をつけたいことは猫との暮らしで欠かせない5つのことでも触れています。
2.休日に8時間ぶっ通しで動ける日がある
休みの日にガーデニングを8時間ぶっ通しで続けたこともありました。 当時は「元気な日」だと思っていましたが、今振り返ると軽躁状態だったのだと思います。
エネルギーが切れない日は、要注意です。
3.急な吐き気や消耗
ホールスタッフをしていた頃、レジ打ち中に吐き気がするほど消耗していたことが多々ありました。 朝はまだ動けたのに、夕方には何もできなくなる。 波の落差が、自分でも怖いくらいでした。
4.集中力の波が大きい
調子のいい日は何時間でも集中できるのに、悪い日は文章一つ読めない。 公文教室で働いていた時期、「理解できるようでできない」感覚が続いて、自己否定が強くなっていきました。
5.思考がまとまらない
頭の中で文章を組み立てているのに、口に出すとバラバラになる。 そういう日が増えてきます。 脳の疲労については双極性障害と脳疲労も近い話を書いています。
6.自己評価が極端に揺れる
「私はやれる」と思える日と、「私はもう何もできない」と思う日が、数日単位で入れ替わります。 本当の自分はどっちなんだろう、と分からなくなる感覚です。
7.混合状態という一番厄介な波
エネルギーはあるのに、気分は底。 イライラと焦燥感が混ざる、あの感じ。 私にとっては、純粋なうつより混合状態の方がしんどい時があります。
混合状態の翌日のだるさは独特で、混合状態の次の日の疲労に書きました。 攻撃的になってしまう自分に戸惑う方は、双極性障害で攻撃的になるのは躁じゃない?も参考になるかもしれません。
双極性障害Ⅱ型と仕事の難しさ
双極性障害Ⅱ型の症状は、仕事の場面で一番顕在化しやすい気がします。 「元気そうに見える日」と「動けない日」の落差が、職場では理解されにくいので。
医療事務を辞めた時のこと
医療事務として働いていた頃、「このままでは悪化する」と直感的に感じて退職を決めました。 1年3か月働いて、最後の3か月は求人と引き継ぎのために耐え抜きました。
「よく頑張った」と思えるようになったのは、辞めてから3年ほど経ってからです。 辞めた瞬間に肯定できるわけじゃないんですよね、こういうのって。
A型・B型事業所での葛藤
その後、A型事業所でも働きましたが、役割が増えて気分の振れ幅が大きくなり、負荷が強まりました。 私は聴覚過敏もあって、人の声のトーンや強さが、強いストレスになってしまうんです。
最終的にB型へ移行して、静かな環境で心は安定しました。 ただ、A型で身につけた「型にはまった掃除」を思い出すと、B型の自由度の高さに戸惑う日もあります。正直、イラっとする日もあるんですよね。
掃除の手順について改善の提案書を出したこともありました。 書類は丁寧だと褒めてもらえましたが、「B型の利用者さんには少しレベルが高いかもしれない」と言われ、採用には至らず。少し複雑な気持ちでした。
それでも、ここがその時の私に合っている場所であることも事実でした。 B型での働き方は在宅B型という働き方にも詳しく書いています。
双極性障害Ⅱ型と暮らすということ
外出前の不安と確認のループ
外出する時、不安がつきまといます。
- 家の鍵はかけたか
- 大窓の鍵は閉めたか
- IHコンロのスイッチは切ったか
- 猫たちはどこにいたか
- 最近火災が多いけれど、うちは大丈夫か
そんな不安が繰り返し浮かんで、最近では2時間も働けない日があります。 それでも、「合う環境を選んでいい」と少しずつ思えるようになりました。
ライフチャートで自分を観察する
動ける日があるからこそ、自分でも気づきにくい。 だから私はライフチャートをつけています。
毎日の気分を点数化して記録しておくと、波のパターンが見えてくるんですよね。 詳しい書き方は双極性障害ライフチャートで自己カウンセリングにまとめています。
まとめ|気づきにくい症状とどう付き合うか
双極性障害Ⅱ型の症状を、改めて整理しておきます。
- 不眠、過剰な活動、急な消耗
- 集中力や思考のまとまりの波
- 自己評価の極端な揺れ
- 混合状態という一番厄介な波
軽躁は気づかれにくいので、診断までに時間がかかることが多いです。 私自身、10年かかりました。
できない日もありますが、それも含めて今の私だと思っています。
同じように波の中にいる方が、少しでも自分の状態に気づくきっかけになればいいなと、書きながら思いました。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

コメント