検索窓に「双極性障害」と打ち込むと、そのあとに勝手に言葉が並びます。
「うつ 違い」「仕事」「治る」。
あの予測変換、サジェストキーワードと呼ぶらしいのですが、
私はあれを見るたびに少し落ち着かない気持ちになります。
知らない誰かが、同じことで困っている。その証拠みたいに見えるからです。
この記事では、双極性障害でよく検索される悩みを7つ整理しました。
結論から言うと、検索ワードの多くは「症状そのもの」より「これからどうなるのか」という不安に向いています。
同じ言葉で検索したことがある方には、たぶん心当たりがあるはずです。
私自身、双極性障害と診断されてから何十年か経ちます。
猫が3匹いて、そのうち何匹かの病気も見送ってきました。
病気と暮らしが地続きの生活を送っているので、その視点から書いていきます。
双極性障害で人が検索する、その手前にあるもの
検索する前って、たいてい何かがあるんですよね。
朝、布団から出られなかった。
逆に夜中じゅう頭が冴えて、買い物を繰り返してしまった。
家族に「最近おかしい」と言われた。
そういう小さな違和感が積み重なって、ようやく検索窓を開く。
だから検索ワードは、悩みの入口でしかないのだと思います。
「双極性障害 仕事」と打つ人が本当に知りたいのは、
仕事の続け方というより「自分はこの先働けるのか」という方かもしれません。
サジェストキーワードを並べて眺めると、
その奥にある不安が少し見えてくる気がします。
双極性障害でよく検索される悩み7選
ここからは、実際によく検索される7つのテーマを順番に見ていきます。
それぞれの言葉の裏に、どんな気持ちがあるのか。
私の経験も少し混ぜながら書きます。
1.「双極性障害 診断 きっかけ」病院に行くべきか迷う
最初の関門は、たぶんここです。
双極性障害かもしれない、と思っても、すぐ病院には行けない。
気のせいかもしれないし、大げさだと思われたら、という気持ちが先に立ちます。
診断は、医師による問診で判断されます。
過去の気分の波、その持続期間、生活への影響などを総合的に見ていく流れが一般的とされています。一度の診察で確定しないこともあります。
私の場合、最初から双極性障害の疑いがありました。
というのも、休みの日に8時間ぶっ続けでガーデニングしてたらそりゃあおかしいでしょう。バイトから帰っても5時間続けてたこともあります。
自転車で少し離れた場所にあるホームセンターに土を何往復もして買いに行くのもだいぶおかしいと思います。
それほど動き続けても夜になると眠れない。眠れないことにヒステリックになっていた時期もありました。
今思えば、それだけの活力を私は前借していたんです。
鬱で動けなくなったこともありますが、だいたいバイト中に起こります。
私の場合こうやってはっきりと波が出ていたので、双極性障害の疑いが真っ先に来ました。ただ、月経前症候群の可能性も否定できなかったので、産婦人科で検査をしましたが問題はありませんでした。よって、双極性障害の疑いが、双極性障害確定になったのです。
ただ、鬱の症状が目立つあまり、うつ病と誤診され、あとから躁の波が見つかって、診断名が変わったというケースは珍しいことではないようです。
迷っているなら、気分の記録だけでも残しておくといいかもしれません。
いつ眠れて、いつ調子が良すぎたか。それが診察の手がかりになります。
2.「双極性障害 うつ 違い」うつ病との見分け
これも本当によく検索されるテーマです。
双極性障害とうつ病の最大の違いは、躁状態や軽躁状態があるかどうか、と言われています。
うつ病は落ち込みだけが現れる。
双極性障害は、極端に活動的な時期と激しい落ち込みを繰り返す。
ただ、ここが厄介なところで。
うつの時期に受診すると、過去の躁に気づかれず、
うつ病と診断されることがあるそうです。
なぜなら、調子が良かった時期を「病気」だと思う人はあまりいないからです。
元気だっただけ、と片付けてしまう。
もし思い当たることがあるなら、「やたら調子が良かった時期」も医師に伝えてみてください。落ち込みだけでなく、その反対側の波も診断には大事みたいです。
3.「双極性障害 躁状態 自覚」自分では気づきにくい
躁状態のいちばん難しい点は、自分では気づきにくいことだと思います。
うつのときは「つらい」とわかります。
でも躁のときは「絶好調」としか感じない。
むしろ調子がいいので、止める理由が見つからないんですよね。
私の経験で言うと、躁の入口は睡眠に出ます。眠らなくても平気、という感覚。
あれが来たら少し危ない、と今は思っています。明日のバイトのために寝なくちゃと焦るあまり、色々と試しましたがすべて失敗に終わりました。
特にエッセンシャルオイルを使ったのは失敗でした。猫の「そー」ちゃんが頭元で寝てるのに、エッセンシャルオイルのディフューザーつけて寝てたんです。猫には猛毒とはつゆ知らず。後悔しかありません。
あとは具体的には、買い物が増える、しゃべりすぎる、計画が次々浮かぶ。あとから振り返って初めて「あれは波だった」と気づくことが多い。
だから家族や周囲の「最近ちょっと変だよ」という声は、貴重なセンサーなのかもしれません。自覚できないものを、外から教えてもらえるので。
4.「双極性障害 仕事 続かない」働き方の悩み
仕事の悩みは、検索ワードとしてもかなり多い印象です。
双極性障害は20代から30代前後で発症することが多いとされています。
ちょうど働き盛りの時期と重なります。
だから「続かない」という言葉が出てくるのだと思います。
私も、フルタイムの働き方には戻れていません。
でも、それを失敗だとは思わなくなりました。
働き方には、在宅や就労継続支援、時短など、
いくつかの選択肢があります。
どれが向いているかは波の出方によって変わります。
ここは関連記事で詳しく書いているので、働き方そのものを考えたい方はそちらも読んでみてください。今は「続かない=終わり」ではない、とだけ伝えておきます。
5.「双極性障害 薬 やめたい」服薬への迷い
薬をやめたい、という検索も多いです。これはすごくわかります。
調子が良くなると、もう薬はいらないのでは、と思う。副作用がつらいときもある。
飲み続けることが、病気を認め続けることのように感じる日もあります。
双極性障害の治療では、気分安定薬などが再発予防のために使われることが多いようです。調子が良いのは薬のおかげ、という側面もあるのかもしれません。
ただ、自己判断でやめると波が戻ってくることがある、ともよく言われます。
やめたい気持ちがあること自体は、悪いことではないと思います。それを一人で抱えず、診察のときに正直に医師へ伝える。減薬の相談も、そこから始まる気がします。
6.「双極性障害 接し方」家族や周囲の悩み
検索しているのは、当事者だけではありません。
「双極性障害 接し方」と打つのは、たいてい家族やパートナーです。
躁のときの言動につらくなったり、
うつのときにどう声をかけていいかわからなかったり。
支える側も消耗します。
献身的に関わっていても、我慢が続くと心の余裕がなくなる、
というのは自然なことだと思います。
だから、支える人が一時的に距離を取るのは、
見捨てることではありません。
お互いが潰れないための、現実的な選択です。
本人の生活リズムや睡眠を一緒に確認する、責めずに事実を伝える。完璧でなくていいので、それくらいの距離感がちょうどいいのかもしれません。
7.「双極性障害 治る」先が見えない不安
最後は、いちばん切実な言葉かもしれません。「治る」。
正直に言うと、私はこの言葉に対して、はっきりした答えを持っていません。
双極性障害は再発を繰り返しやすい病気とされています。
完全に消えてなくなる、という意味での「治る」とは少し違うのかもしれない。
でも、波と付き合いながら安定した生活を送っている人はたくさんいます。
私自身、診断直後よりは確実に暮らしやすくなりました。
「治る」を「元通り」と考えると苦しくなります。
「波が小さくなって、生活が回るようになる」と考えると、
少し息がしやすい。そういう捉え方もある、という話です。
検索しても答えが出ないとき、私がしていること
ここまで7つ書いてきましたが、検索しても結局すっきりしないことは多いです。
サジェストキーワードをたどっても、
欲しい答えが落ちているとは限らない。
むしろ不安な言葉が並んでいて、
検索前より落ち込むこともあります。
そういうとき、私は一度パソコンを閉じます。
うちの猫が、何も知らない顔で隣で寝ています。
その重さとか、体温とか。
検索では出てこない情報のほうが、
案外その日を支えてくれる気がするんですよね。
調べることは大事です。でも、調べすぎて疲れたら、休んでいい。
検索窓は逃げません。
【結論だけ知りたい人へ】要点まとめ
最後に、この記事の要点を整理します。
- 双極性障害のサジェストキーワードは「症状」より「これからの不安」に向いている
- 診断は問診で総合的に判断され、一度で確定しないこともある
- うつ病との違いは躁・軽躁の有無。過去の好調期も医師に伝える
- 躁状態は自覚しにくいため、周囲の声がセンサーになる
- 仕事は「続かない=終わり」ではなく、働き方の選択肢がある
- 薬をやめたい気持ちは自然。自己判断せず医師に相談する
- 「治る」は「元通り」ではなく「波が小さくなる」と捉えると楽
- 調べすぎて疲れたら、検索から少し離れていい
検索ワードの向こうには、たぶん同じように迷っている人がいます。
あなたが打ち込んだ言葉も、誰かのサジェストになっているのかもしれません。
それを思うと、少しだけ心強い気がします。

コメント