双極性障害の親戚付き合いがつらいあなたへ|無理しない距離の取り方と対処法

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導入文:親戚の集まりが大きな負担に感じやすいあなたへ

「次の法事、どうしよう……」 カレンダーを見るだけで動悸がしたり、親戚からの何気ない「最近どう?仕事は?」というLINEに既読をつける指が震えたりしていませんか。

双極性障害(双極症)を抱えながらの親戚付き合いは、控えめに言って「大きな負担に感じやすいもの」です。 気分の波が激しい私たちにとって、数年に一度しか会わない、こちらの病状について十分に知らない人たちと笑顔で接するのは、フルマラソンを走るくらいの重労働。

本記事では、診断10年超えの私が辿り着いた、親戚という名の「気を遣う人たち」を無傷でやり過ごすための生存戦略を、忖度なしでお話しします。読み終える頃には、「あ、無理して合わせなくていいんだ」と、心の鍵を一つ外せるはずです。


1. 最初に結論:親戚に合わせる必要性の有無

はっきり言います。双極性障害のあなたが、親戚の期待に応えるために自分の体調を切り売りするのは必ずしも必要とは限りません。

親戚付き合いで一番大切なのは「和を乱さないこと」ではなく、「自分の脳の凪(なぎ)を守ること」です。 彼らは日常的にあなたを見ているわけではありません。だからこそ、平気で「理解しにくい」「距離感が分からない」といった、悪気なく踏み込んでしまうことがあります。

無理を重ねて、そのあとに「ド鬱」の波が来て動けなくなっても、その親戚には十分にフォローしてもらうのが難しい場合もあります。まずは「自分を守ること」を最優先のルールに設定しましょう。


2. なぜ親戚付き合いは、こんなに負担に感じやすいのか

2-1. 「病気への無理解」という名の二次災害

親戚がつらさの原因になる理由の一つに、病気について十分に知られていないことがあります。 「ただの気分の問題でしょう?」「若いうちは苦労しなきゃ」「もっと頑張れば治るよ」

……耳にタコができるほど聞いたであろう、これらの言葉。彼らに悪気がない場合が多いのが、また厄介ですよね。外見からは判別しにくいこの病気は、知識がない人から見れば「怠け」や「性格のわがまま」に誤解されやすい傾向があります。

こうした「すれ違い」に真正面から向き合うと、こちらの脳がオーバーヒートします。「理解してもらおう」と努力すること自体が、実は大きなストレスの源なのです。

2-2. 躁状態の暴走:「言いすぎた」の呪縛

躁(または軽躁)の時期に親戚に会うのも、なかなかのリスクです。 気分が高まっていると、ついつい饒舌になったり、普段なら言わないような大胆な提言を親戚にしてしまったり。 「あの時は楽しかった」で済めばいいですが、波が引いたあとに「あんなこと言わなきゃよかった……」という猛烈な自己嫌悪(鬱の餌食)に襲われるのが、よくあるパターンの一つです。

後悔して自分を責めるくらいなら、最初から「人付き合いの範囲を広げすぎない」という防衛策を張っておくのが賢明です。

2-3. うつ状態のフリーズ:欠席という「大勝利」

逆に鬱の時期は、親戚の集まりなんて「エベレスト登山」に等しい難易度です。 「行かないと角が立つかも」「親に恥をかかせるかも」と不安になるかもしれませんが、動けない時に無理をすると、回復までの時間が2倍、3倍と伸びてしまいます。

猫様が具合が悪い時に無理やり外に連れ出さないのと同じで、あなたも寝るのが仕事。「行かないという決断」は、自分を守ったという証であり、自分を守る大切な選択です。


3. 親戚との「正しい距離」の測り方

私たちが目指すべきは、円満な関係ではなく「無理のない関係」です。

3-1. 全員に分かってもらう必要はない

「親戚一同、私の病気を理解して応援してほしい」……その願いは、一旦手放してみましょう。 理解の深さは人それぞれ。私の母のように勉強してくれる人もいれば、一生「気の持ちよう」と言い続ける人もいます。

「一人、二人、分かってくれる人がいればそれで十分」 そう割り切るだけで、心がスッと軽くなります。

3-2. 物理的・精神的な距離を取る「権利」

ストレスが大きいなら、距離を取るのは「逃げ」ではなく「大切なセルフケア」です。 お盆の帰省を断る、LINEのグループからそっと抜ける、電話に出ない。無理を続けて再発するより、距離を取って安定している方が、長い目で見れば親孝行でもあります。


4. B型事業所や専門家の知恵を借りる

親戚付き合いの悩みを一人で抱え込むと、思考が「0か100か」の極端な方向に走りやすくなります。

そんな時は、主治医やカウンセラー、あるいはB型事業所のスタッフなどに「親戚にこう言われてしんどい」と吐き出してください。第三者の客観的な視点が入るだけで、「あ、その親戚の言ってること、気にしすぎなくて大丈夫なケースもありますね」と冷静になれるものです。


5. 環境を調整し、自分を「安全圏」へ置く

どうしても親戚との関わりが負担にしかならない場合、環境を大きく変えるという選択肢もあります。 関わる頻度を極限まで減らす。あるいは、間に誰か(私の場合は母)を挟んで、直接の接触を断つ。 「自分に合った距離感」を見つけるまでは試行錯誤が必要ですが、焦る必要はありません。一歩ずつ、自分が息をしやすい場所へ移動していきましょう。


6. まとめ:猫様のように「マイペース」でいい

双極性障害と親戚付き合い。その正解は、「無理をしないこと」、ただそれだけです。

周囲の期待や親戚の顔色よりも、あなたの今日の体調の方が何よりも大切です。 「できる範囲で関わる。できない時は寝る。それで文句を言われるなら、相手の考え方による部分もありますが関係を見直してみるのが手でしょう」

お手本は、わが家の猫様。 客が来ても、気が向かなければ出てこない。眠ければ寝る。 私たちも、その「マイペースさ」を少しだけ見習ってみませんか。

明日の法事の心配は、明日の自分に任せましょう。 あなたは、あなたのままで、今日を無事に終えられただけで100点満点なのですから。


※注意書き 本記事は個人の体験に基づく生存戦略です。親戚関係のトラブルで深刻な精神的苦痛を感じている場合は、迷わず専門医やカウンセラーに相談してください。

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